20代を過ぎ、人生初の一人旅で訪れた石垣島。
温暖な気候、海と山に囲まれた環境、島民の不器用すぎて優しさがにじみ出てる愛嬌。
そんな石垣島に魅了され、移住して早十数年…
知り合いもいなければ、手に職も無い、コミュニケーション能力ゼロ。
0からのスタート。
にもかかわらず、この島で強く芽生えた思い。
”石垣島の自然と身近な距離で仕事がしたい”
色々な農家さんの手伝いを経て、パイン農家として独立。
農家 シマノウカトの始まりです。
シマノウカトの記録
2011年、石垣島で生活開始
石垣島、西表島でアルバイトとして農業に携わる
2022年にパイナップル農家として独立
約800坪の小規模面積、資金なし、道具なし、職業問わず多くの人たちの協力もあり営農開始
2023年、知人の土地を借り圃場拡大
長年放置された約2100坪の不耕作地をユンボで伐開
パイナップルとの向き合い方
植え付けは間隔が重要、だから手作業
パインの葉は横に大きく広がり成長していきます。
植え付け間隔は、苗同士の間隔が狭いとお互いの葉が重なり日当たりを悪くさせ光合成を阻害してしまうし、風通しが悪くなり害虫がつきやすくなります。
逆に間隔が広すぎると台風などの強風に対して苗同士が支え合えなくなり折れてしまう。
ウカトでは程よい間隔を保つため、トラクターでの植え付けはせずに1本1本苗を手作業で植え付けしています。
真夏の猛暑と強い陽差し、作業中は常に中腰。
一日に植えられる本数は数百本ほど。
機械と手作業。効率の違いはお察しください...
肥料やりは柔軟に、こだわりと頑固は違う
肥料やりに関してウカトでは有機肥料、化学肥料を柔軟な判断で使い分けています。
なぜなら、苗の成長は気候や畑の土質など、様々な条件によって毎年変化するためです。
「この肥料だけ。あれは使わない。」
定型作業だけの考え方は、頑固でエゴの様に感じています。
自然相手の農業。何を優先に考えなければいけないのか?
”おいしいパインを育て、届けること”
生産者が考えるべきゴールはここだと思います。
有機肥料と化学肥料、それぞれの特性を活かし柔軟に使い分け、今の苗にとって一番必要とされる栄養を考えながら与えています。
除草作業は土を耕すこと、大変だけど手作業
温暖な気候の石垣島では、年間を通して雑草の成長が早く除草作業が悩みであり、課題になります。
雑草が生い茂ると地中の栄養吸収を阻害するだけでなく、畑の風通しが悪くなり害虫の付着が増えてしまいます。
そして、パインが好む土は酸性かつ痩せている(養分の少ない)土壌のため、土の表面が固くなっていきます。
表面の土が固いままではその上に固形肥料を与えても、栄養はパインの根へ十分に届きません。
除草作業は農薬に頼りたいところですが、地道に手作業で雑草を抜いていくことも大切です。
雑草の根を引き抜くことで土が攪拌される良い機会になります。
防草シートなどでも雑草を抑制せず、手作業で除草しながら土を耕すことも積極的に取り入れています。
小規模農家だからできること
近年、大規模農家による大量生産の営農形態が増えていますが、『小規模農家だからできること』の中に自分の目指す営農方針の形が多く見えました。
肥料ひとつまみ、収穫時に確認するパインの色付き具合など、どんなに研修を重ねても細かい部分は人によって差異が出ます。
加えて、オーナーと従業員との認識にもズレは発生します。
研修時に経験したこのような部分から、パインを育ててみなさんにお届けするまでをオーナーとなった自分が納得した形で行えること。
そのような営農をしていこうと強く感じました。
苗の状態を観察しつつ1本ごとに肥料を調整したり、直近の天候や実の状態により左右される収穫タイミング。
量もタイミングも、最善の判断を自分でしたい。自分だけの感覚と感性を大切にしたい。
そのためには、全ての作業に1秒でも多く携わる。
小規模だからこそ可能であり、大切にしたい事。
自分の判断で栽培し育ってくれた、オリジナルなパイン。
石垣島の大自然、師匠の教え、そして自分のコラボレーションパイン。
シマノウカトでは、
”みなさんの食卓で、石垣島の自然を感じられる、自分が日々体感している楽しさ・喜びが伝わる。”
そんな商品をお届けすることをプロミスします。
毎朝、収穫の前に食べる
収穫の時期になると日課として、毎朝パイナップルを1~2玉食べます。直近の天候や気温によって収穫のタイミングが微妙に変化するからです。
表面の皮に青さが残っていても中身の熟度が上がっていることもあります。
また、発送から到着までの期間を想定して、自宅へパインを持ち帰り数日間経過を確認することも定期的に行っています。
これらは、最高の状態でお客様の手元に届けるために欠かせない大切なこと。
私が育ててます
栃木県小山市生まれ。
県内の高校を卒業後、群馬県の大学に進学。学生時代はひたすらサッカー。
大学在学中、就職活動を機に今後の生き方について考え始める。今まで生活の中心はサッカーであり、自分の知らない世界が多くある中でこのまま社会人になることへの不安を抱くようになる。
全ての内定を辞退し、大学卒業後に上京。街を歩くだけで田舎者には五感から刺激を受け続けられる大都会東京。
視野を広げるために以前から興味を持っていたエンタメ業界を深く知ろうと、全国最大級のライブハウス、クラブイベントでアルバイト。
サッカーを理由に旅行の経験がなかったため、23歳にして初の国内ぼっち旅行を計画。
行くなら極端に遠い場所を目指し石垣島、西表島に3週間滞在。
観光地のため全国から人が集まるという点で東京とは同じだが、人との知り合い方や付き合い方が東京とはまるで違う。
その他、今までに体験できなかったことばかり。いろいろな経歴の人達と隔てなく交流できる。何より大自然の迫力。
”刺激=派手”だった固定観念がぶっ壊れる。
石垣島に引っ越すことに迷いや不安は特になく、ほぼ勢いで実行。紆余曲折あり、農家を志す。
好きなアーティスト
BiSH、マキシマムザホルモン、BRAHMAN、Goa Gil、infected mushroom
好きな漫画
幽遊白書、I"s、ギャグマンガ日和、日常